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十二光の話し

 
前段のご挨拶でもふれましたが、株式会社トリノ企画の「トリノ」は、仏典「無量寿経」の中の十二光「無碍光(ムゲコウ)」の意味も併せ持っています。
 無碍光とは、何ものにもさえぎられることのない光、誰にでもあまねく降りそそぐ光と、説かれております。はたして、こうした光波が宇宙に存在するものなのでしょうか。
 しかし、それは1987年 我が国の物理学者によって観測されました。紀元前四世紀から五世紀とも言われる、釈尊の哲学的説話の世界「無碍光」の意味合いに叶うものが、素粒子のうちの中性微子として発見されたのです。


 
日本の物理学者・小柴昌俊博士は、多年にわたる大統一理論の研究の中、岐阜県・神岡鉱山地下1,000mの観測施設カミオカンデにおいて、無窮の宇宙の彼方から飛来し、無数の惑星や地球さえも貫き通す存在として史上初めて、その姿を捉えることに成功しました。
皆様も良くご存じのニュートリノです。この観測と証明により、小柴博士は2002年のノーベル物理学賞を受賞致しました。前置きが長くなりましたが、当社の社名「トリノ」は、文字通りこのニュートリノから名付けました。 

 さて、「
十二光」に戻ります。
普く無量光、無辺光、無碍光、無対光、光炎光、清浄光、歓喜光、智慧光、不断光、難思光、無称光、超日月光を放って、塵刹を照らす。一切の群生、光照を蒙る。

 私が、社名に「トリノ」を選んだ後に、懇意にして戴いていた取引先の社長に、何も説明を加えず社名を伝えると、即座に「十二光の無碍光でしょう」と言われ、あまりに正鵠を得た指摘に驚きました。その方を、さすがと思うと同時に尊敬の念を新たにしたのでした。
        高橋 章


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